リサーチにおける写真の役割

Screen Shot 2015-11-04 at 03.35.27

デザインリサーチやエスノグラフィックリサーチでは、見たもの聞いたことをノートに収めるだけでなく、写真でも収めておくことは、後々、発見や気づきの振り返りをするときに重要となります。

私たちは、ユーザーの文脈をヴィジュアルでも捉え、理解と気づきの連鎖を促進するために、フォトドキュメンタリーの方法をリサーチに活用しています。

この方法では、ユーザーの生活の中での、サービスや製品との接点だけでなく、ライフスタイルも同時に抑えるようします。たとえば、対象者、居住環境、モバイルの活用状況、電化製品、レシートなど、今後のサービス開発に繋がるヒントとなりそうなものを広く記録しておくと、リサーチ結果を解釈する際に広く活用できるようになります。

一方で、フィールド調査では写真を撮ることは、特別なことではありません。どのようなリサーチであっても、多くの場合、ユーザーや現場の写真が添付されているものです。

私たちが用いるフォト・ドキュメンタリーのアプローチでは、写真は最終報告書を彩る役割だけではなく、インサイトと言われる気づきを引き出すリサーチの進捗プロセスやアイディエーションのワークショップの中でも、客観的な事実を改めて振り返る要素となったり、感性を刺激する役割を担います。

そのために、ドキュメンタリー写真、フォトジャーナリズム、エスノグラフィーの分野の知見を融合させ、ユーザーや生活者をよりいきいきと文脈を抑える形で写しだし、美しくストーリーを描き出せるようにしていきます。ペアが行うリサーチの中で、写真とストーリーがいつ、どのように活用されているか、このブログで何回かに渡り連載いたします。