【事例】スマート電力の利用実態を現地で調べ、事業企画に繋げる

目的

HEMS(家庭用エネルギー管理システム)の新規事業機会発見と事業案の企画。それに先駆け、試作品の実証実験参加者の活用とライフスタイル実態把握を企画実施し、現場のファクトとインサイトに基づくアイデア創発を行う。ただし、定量アンケートはこれまでもやってきて得られる情報に限界を感じているのでその壁を破りたい。

関わり

首都圏1000世帯レベルで、HEMSプロジェクトの実証研究がクライアント企業によって行われており、まずはその実証研究の成果を明らかにしながら次の企画を作りたいという目的でお声掛けいただきました。

クライアント:大手広告代理店、電機メーカー、電力会社

弊社の役割:エスノグラフィクリサーチとアイデア創発ワークショップの企画、実施、ビジネス機会領域の抽出支援

時期:2015年5〜8月

工夫と成果

  • アンケート調査では語られない、より生々しい情報を得るため、10件×2時間のお宅訪問による観察調査とヒアリングを実施。訪問時に得られる情報量がより多いと考えられる、ユーザーを電力使用量や使用HEMSアプリ、家族形態を元に選別。
  • 弊社栗原、クライアントから2名の合計3名で現場に入り、企画に長く関わっているクライントの視点で観察を実施することで気づき幅を広げることができました。クライアントメンバー向け、フィールドリサーチキットを用いてチームビルディングと方法のミニワークショップを提供。
  • 専用プロジェクトルームを借りることが出来、リサーチで得た写真や気付きをストーリー調に掲示し、いつでもクライアントを交えて議論できる環境を整えました。これにより現場入していないメンバーも、ユーザーの家に見に行ったようなコンテキストを持つことができたとの反応をいただきました。MTGもこの場で行うことで、議論が活性化しました。
  • 得られたインサイトを元に、ユーザーペルソナとユーザーの生活が物語調でわかるジャーニーマップを作成し、プロジェクトメンバーのユーザー理解を深めました。
  • プロジェクトの最後に、クライアント企業の本社・部門長様向けのプレゼンをさせていただきました。
ポップアップスタジオ(プロジェクトルーム)

完了後の感想

リサーチで得られたインサイトをpearの特徴の一つである写真を活かしたストーリーテリングを行いながら、リサーチで得た気づきをアイデア発想につなげることができました。

クライアントの方々にはフィールドワークを一緒に行っていただくことができました。完了後15分程度の振り返りを毎回お願いしたため、それなりの負担をおかけしましたが、得られた情報はとても広く、深くなりました。終了後、大変だったけど今思い出しても、その場の温度感や湿気も含めて風景を思い出せる、ととても生々しくて面白かったとのコメントをいただけました。