つれづれリサーチ

働き方改革にまつわる3プロジェクト

2017年は一年を通じて、働き方に関連したプロダクトを生み出すプロジェクトに3つ関わることになりました。

どのプロジェクトにおいても知見を集めるフィールドワークを実施し、25名ほどのこの分野をリードする働き方に関して先進的な取り組みをされている方々や会社員、フリーランスの方々の現場観察やインタビューを行い、知見をまとめそこから何が創り出せるのか議論とプロトタイピングを行いました。

また、実際に私自身も先進的な取り組み(全員在宅OK、リモート推奨)をしている企業のメンバーの一員となり、同じ仕事の進め方もしてきました。(実際は自分でやってみることが一番多くの気づきを集められたりもしますね)

各プロジェクトで得られた知見は、それぞれのクライアントのものですのでそこで資料的には完結しますが、我々プロジェクトチームの頭の中ではプロジェクトを超えたところで気づきが生まれたりもします。

そういったプロジェクトをまたいで得られた気づきを、守秘義務の範疇からはみ出ない形でまとめてみたいです。

誰かに与えられる働き方改革の限界

政府をはじめ多くの会社が主導する働き方改革には、長時間労働の是正と育児や介護を両立しやすい労働環境の実現などがあげられています。いずれも、トップダウンの仕組みの中で従業員が与えられる環境といった側面が強いという認識を持っています。育児や介護も確かに有無を言えないですが、どちらかといえば外的な要因によって起きることです。

残業無しで退社しても寄り道して変えるフラリーマンの存在や、リモート会議だとやはりやりづらいから、1時間の会議のために片道1時間かけて出社するなど、政府や会社の期待する働き方を普及させようとする場合、ツール面の不足以上にその働き方をしたいのだという意志がないとやはり厳しいという現状が見えます。本来、働き方を大きく自分の中で変えていくには、時間の使い方を変えざるを得ない内発的な動機を得ることが欠かせないのだと考えます。

時間をつくってでもどうしてもやりたい!ことに出会う

内発的な動機は、時間を生み出してでもやってみたいこと、成し遂げたいと思える事です。それは、仕事的なことなのかもしれないし、家族との時間かもしれない。それはその人にとって、かけがえのない時間の存在でしょう。この人を突き動かす何かがない状態で、プレミアムフライデーのような月1回の金曜日の早退、在宅ワークの導入を行っても、本質的な変革にはつながらないような感じがします。まあゆとりにはなるでしょうけれど。

閾値を超えるための思考の余白を確保するための方策

biotopeの佐宗さんが述べるように、働き方改革の議論では単純労働なのかクリエイティブ労働なのか、によって議論を分けなければならないでしょう。

「クリエーティブワークというのは、2倍の時間働いたら2倍の成果が出るかというと、そんなことはない。時間をかけたらアイデアが出る場合もあれば、出ない場合だってあります。ある分野に関するアイデアが一定以上溜まった瞬間に、突然ピンッとひらめくような世界」(出典

クリエイティブな仕事は、成果物が命ですから、自分の感性や創造性がフルに発揮できる時間をどれだけ有効に活かせるかが問われるはずです。その意味で考えれば、この層にとっての働き方改革とは、単に労働時間を減らし私生活を充実させるという文脈とは異なるはずです。

集中できる場所が会社のオフィスだとは限りません。あるインタビュー対象者の新規ビジネス担当は、「机の上でアイデアが生まれたことなどほとんどない」と仰っていました。自分のスタイルで、時間をかけて納得の行く創造が生まれる環境を選ぶことが出来る、そんな自由度が求められるでしょう。

フルタイム、そしてライフタイム・ワーカー

極めて高い質のクリエイティブワークを継続的にされている方々のインタビューや観察を通じて明らかになったのは、彼らには公私の境目がほとんどないことです。たとえば、それがデザイナーであれば、人生そのものが最高のデザインにたどり着くために存在している。彼らにとっての働き方改革とは、できるだけ誰でもできる仕事は任せ、創造性を発揮できる時間を確保すること。また、そのような状態に入れる習慣を大切にすることだったりします。

誰もがライフタイム・ワーカーになることが幸せだとは限りませんが、そういういわゆる天職といえる仕事に巡り会える人は幸せでしょうね。ただ、人生100年時代ともいわれています。どうせ働くなら、楽しい!と心底思える仕事をしていきたいものです。

そういう意味では、我々が関わっているようなまだ見ぬ新しいプロダクトやサービスによる新な体験ももちろん大切ですが、今の働き方をシフトしてより面白いものを探すため、新なものごと人との出会いを求めてプレミアムフライデーを活用したり、複業(副)を行ってみると、働き方の変化を通じて生き方の変化、いわゆるライフシフトに繋がるのではないでしょうか。

 

写真:法人会員専用コワーキングスペースWORKSTYLINGの焚き火を囲めるMTGスペース