人々が実際に行っていることを現場で調べ、本音を捉えてからアイデア創発をするためのアプローチ。
定量調査では得られない手触り感のある現場の生の状況を腹に落ちた知識として吸収し、発見を洞察へと導きます。
アンケート調査やフォーカスグループインタビューを実施したものの、新しい発見が期待したほど得られなかったという経験はないでしょうか。それらの手法は、仮説を確認するには有効な手法です。しかし、実際に行っている現場とは異なる状況下で回答を求めることで、それが建前であっても確認が困難です。また、本人自身も気がついていない行いも隠されたままになります。
エスノグラフィーでは、調査対象者が実際の行いをする場に赴き、現場の文脈の中で観察やインタビューを行います。そうすることで、生の情報を集め想定外の発見や動機を掘り下げ対象者の深層心理に迫るのに威力を発揮します。
想定されるお客様
- 市場やユーザーの標準的な意見よりも、次のユニークな企画につながる尖った発見がほしい。
- アンケート調査を行っているが、目新しい発見に乏しい。
- ユーザーの自社製品・サービスとの関わりを点ではなく、線の体験として理解し新たな企画や改善をしていきたい。
- 社内の社員たちの暗黙知を明らかにし、成果の働き方の型を作りたい。
プロセス
Co-Start
共に始める
プロジェクトメンバーの関係性はプロジェクトの成否を左右します。チームが途中で空中分解したり、途中でゴールの認識が異なっていたことが明らかになることは少なくありません。Co-Start(コー・スタート)段階ではそのような事態を防ぐ為、最初の1歩を踏み出す前に共通のゴールとビジョンを共有するためのワークショップを行いチームの関係性構築を行います。
- ビジョンや期待値を明らかにするためのワークショップを行いチームの関係性を強化する
- その中で、ゴールや各自の役割を明確にする
Co-Research
共に調べる
他者が作った調査レポートを見て得られる洞察には限界があります。なぜなら、強い課題意識と専門性を持つメンバーとともに自分の目を通して調査を行うことで、見えてくる事実があるからです。そのため、Co-Research(コー・リサーチ)段階では、メンバー1人1人が現場に入り調査することを重視します。現場調査の中で手触り感のある現場の生の状況を腹に落ちた知識として吸収していきます。
- エスノグラフィーのツールを使い、現場の生の情報を収集します。
- 異なる専門的視点を持つチームメンバーと共に、様々な切り口から現場調査を行います。
Co-Insights
共に洞察する
調査で得られた事実や気づきは素早くチームメンバーで共有し、それをもとに次の調査計画(論点や仮説)を素早く修正していく必要があります。Co-Insights(コー・インサイツ)段階では、調査後、当日中にチームで写真やイラスト、文字で可視化しながら振り返りを行います。そうすることで調査結果の蓄積するごとに、洞察を深めていくことができます。
*インサイトスタジオとは:プロジェクト中、チームメンバーの基地としての役割を果たす部屋。調査結果はこの部屋で視覚化され、より深い洞察を引き出す素材としてメンバーに共有されます。このプロジェクトのコアメンバー以外でも、部屋に入ることで、プロジェクトの進捗を知ることもできます。詳しくはこちらのブログ記事にも解説がございます。
- 調査で発見したことを当日中にポストイットに書き出し、写真を印刷し、インサイトスタジオで視覚化します。
- 全調査が終了したら、得られた洞察の意味を解釈し、目的に応じてペルソナやユーザー体験マップとしてまとめます。
Co-Ideation
共に発想する
自由にブレインストーミングするだけでは、一見たくさんのアイデアに見えても重複があり、広がりが十分に得られない場合があります。またユーザー中心の視点を欠いていることもあります。Co-Ideation(コー・アイディエーション)段階では、ユーザーや組織の本質的なニーズに対し、広がりのあるアイデアを出し、評価し絞り込み、より優れたアイデアへと昇華させます。
- 調査で得た洞察を元に、チームメンバーや他分野・異分野のゲストを招き100以上のアイデアを生むためのワークショップを行います。
- アイデアの発想を広げるためにツールを活用します。
- 大量に発想されたアイデアを評価し絞り込みを行った後、それらを磨き込んで行きます。