自らフィールドに入り、そして考える

ユーザーを客観的に観察することで得られる知見がある一方、今はまだないプロダクトやサービスを考えるときには、企画者、エンジニア、デザイナーと共に、外に飛び出して自らが実践者として気づきを積み上げるというアプローチも有効ではないでしょうか。

これはとある新しいライフスタイルをつくりだすための商品開発プロジェクトの一コマ。都心のビルの屋上でポップアップオフィスであれこれ実験。

リモートオフィスやオフグリッドや様々な暮らしや働き方が考えられる昨今、頭で考える、やっている人を観察しインタビューしてみる、そしてなりより自分たちで実際にやってみることが一番の気づきになることも。

アウトドア用品のSnowPeakのカタログには、こんな言葉が書かれていたりします。

野遊び道具をつくるために、市場調査などしない。机の上で考えたアイデアがカタチになることはこの会社の場合、まずありえないと断言してもいい。だからスタッフたちは次の「欲しい」を探すため、今日も日本のどこか獣道を歩き、川を遡り、大雨に打たれ、力尽きるまで遊ぶのだ。(カタログ冊子「2016 Outdoor Lifestyle Catalog」)

事前に期待や仮説を明確にしつつも、その場で起きるアドリブや感性を大切に、終了後速やかに気づきを書き出すことでフィールドでの発見を鮮度の高い状態で記録され、解釈され、そしてクリエイティブに活かされます。

そういえば、昔からアーティストやデザイナーの方々は、インスピレーションの湧く地域を経験的に知り、そこでの暮らしを通してものを作り上げてきました。

日常を少し変えて、非日常の視点の切り替わりやリラックスの中から面白い物事が生まれてくる実感と実際の生な体験データを得たフィールド体験でした。