【掲載】「わからなさ」のポテンシャル(「TAKT PROJECTの東北考」第3回)

企画&リサーチャーとして参加している、TAKT PROJECTの東北考第3回が掲載されたAXIS Vol. 219が発売されています。

「人間を中心とした都市の発展の過程でこぼれ落ちた「何か」があるのではないか。
厳しい自然と「周縁」としての固有の文化を有する東北各地を訪れ、そのこぼれ落ちた何かから、今後のデザインの手がかりを探ります。」(本誌より)

梅雨の時期、2022年6月26日から28日にかけての訪問になりました。通常であれば、晴れを願うフィールドワークですが、遠野においてはじっとりとした梅雨がより一層、「何か」に対する気配を想像させてくれました。

遠野はこの雑誌の連載がはじまる一年前にも訪れていましたので二度目です。一度目は、コロナ禍だったこともあり、博物館や遠野の大地をメンバー3名で探索しました。今回は、ガイドの方や学芸員の方を初め、地元の方々にお話を伺いながらの旅になり、より多く、考えを深める機会を得ることができました。

「「わからなさ」は前述のように人々の創造性を呼び覚ますものです。そして「結論の留保」は、内相的に考え直す時間を授けてくれます」(本文より)

すぐにわかりやすいことが全てにおいて求められやすい現代の中で、わからないものに対してどのような態度をとるとよいのか。拙速にジャッジしてわかったというラベルをつけて分けて置くことの積み重ねが、どのような結果を招くのか、そんな日常生活における態度を意識することにもつながりました。

分かる、解る、判る、岐るとさまざまな表記ができますが、それぞれわかり方に違いがあります。わかるという概念が持つ意味を考えるよい機会にもなりました。TAKT PROJECT、AXIS編集部の皆さま、機会をいただきありがとうございました。

視点、記事、写真とどれも素晴らしい出来栄えですので、ぜひご覧いただけましたら嬉しいです。